要点・例題と独自演習6問。根拠や途中式を記す練習を含む。共通テストの過去問ではない。
濃度ではなく「量の差」で考える
血液が糸球体でろ過され、ボーマンのうに入った液体が原尿である。血球や大部分のタンパク質は通常ろ過されにくい。原尿から水や必要な物質が血液へ戻る過程が再吸収である。
| 求めるもの | 考え方 |
|---|---|
| 含まれる物質の量(g) | 濃度(g/L)×液体の体積(L) |
| 再吸収された量 | 原尿に入った量−尿として出た量 |
| 再吸収率(%) | 再吸収された量÷原尿に入った量×100 |
この教材の「物質量」は含まれる質量を指し、単位はgまたはmgである。化学のmolを用いた計算ではない。濃度が高くなっても、液体の体積が小さくなれば、含まれる量が増えたとは限らない。
原尿量の手がかりになる物質
イヌリンなど、ろ過されるが再吸収・分泌されない物質では、同じ時間に原尿に入る量と尿に出る量が等しい。問題文でその条件を確認する。
例題:原尿中0.20 g/L、尿中20 g/L、尿量1.0 L/日の物質Xがあり、再吸収・分泌・分解されない。
原尿量×0.20=1.0×20より、原尿量=100 L/日。
水の再吸収率を体積から近似するなら、(100−1.0)÷100×100=99%。水分以外の体積の寄与は無視する。尿素など再吸収される物質に、この原尿量の求め方をそのまま使ってはいけない。
計算順序:①単位と時間をそろえる ②Xから原尿量を求める ③各物質の原尿中・尿中の量を求める ④差と割合を求める。
原尿量と水の再吸収
ある1日の尿量は1.5 Lであった。表の濃度はその日の体積で重み付けした平均値である。物質Xは自由にろ過され、再吸収・分泌・分解を受けない。グルコースと尿素についても、ろ過・再吸収以外の出入りや生成・分解はないとする。
| 物質 | 原尿中の濃度(g/L) | 尿中の濃度(g/L) |
|---|---|---|
| 物質X | 0.10 | 10.0 |
| グルコース | 1.0 | 0 |
| 尿素 | 0.30 | 20.0 |
問1
この1日の原尿量を求めよ。物質Xの量の関係を式で示せ。
ノートやPDFに、答えと根拠を記す。
問2
水の再吸収量と再吸収率を求めよ。原尿・尿の体積をそれぞれ水の体積とみなす。
ノートやPDFに、答えと根拠を記す。
この資料の解答・解説を開く
資料を再掲する。
ある1日の尿量は1.5 Lであった。表の濃度はその日の体積で重み付けした平均値である。物質Xは自由にろ過され、再吸収・分泌・分解を受けない。グルコースと尿素についても、ろ過・再吸収以外の出入りや生成・分解はないとする。
| 物質 | 原尿中の濃度(g/L) | 尿中の濃度(g/L) |
|---|---|---|
| 物質X | 0.10 | 10.0 |
| グルコース | 1.0 | 0 |
| 尿素 | 0.30 | 20.0 |
問1
尿中のXは10.0×1.5=15 g。原尿量をV Lとすると0.10×V=15よりV=150 L。尿中と原尿中のXの濃度が等しいのではなく、同じ期間の量が等しい。
問2
150−1.5=148.5 L、148.5÷150×100=99%。150÷1.5=100は濃縮の倍率であり、再吸収率そのものではない。
グルコースと尿素
ある1日の尿量は1.5 Lであった。表の濃度はその日の体積で重み付けした平均値である。物質Xは自由にろ過され、再吸収・分泌・分解を受けない。グルコースと尿素についても、ろ過・再吸収以外の出入りや生成・分解はないとする。
| 物質 | 原尿中の濃度(g/L) | 尿中の濃度(g/L) |
|---|---|---|
| 物質X | 0.10 | 10.0 |
| グルコース | 1.0 | 0 |
| 尿素 | 0.30 | 20.0 |
この日の原尿量は150 Lである。
問3
グルコースのろ過された量・再吸収された量・再吸収率を求めよ。
ノートやPDFに、答えと根拠を記す。
問4
尿素のろ過された量・尿中へ出た量・再吸収された量・再吸収率を求めよ。再吸収率は小数第1位まで求めよ。
ノートやPDFに、答えと根拠を記す。
この資料の解答・解説を開く
資料を再掲する。
ある1日の尿量は1.5 Lであった。表の濃度はその日の体積で重み付けした平均値である。物質Xは自由にろ過され、再吸収・分泌・分解を受けない。グルコースと尿素についても、ろ過・再吸収以外の出入りや生成・分解はないとする。
| 物質 | 原尿中の濃度(g/L) | 尿中の濃度(g/L) |
|---|---|---|
| 物質X | 0.10 | 10.0 |
| グルコース | 1.0 | 0 |
| 尿素 | 0.30 | 20.0 |
この日の原尿量は150 Lである。
問3
ろ過量1.0×150=150 g、尿への排出量0 g、再吸収量150 g、再吸収率100%。「尿中にない」ことは「原尿に入らなかった」ことを意味しない。
問4
ろ過量0.30×150=45 g、尿への排出量20.0×1.5=30 g、再吸収量45−30=15 g、再吸収率15÷45×100=33.3%。尿素濃度は上がる一方で、尿へ出る尿素の量はろ過された量より少ない。
条件が変わった資料
別の日の物質Xの原尿中濃度は0.10 g/L、尿中濃度は8.0 g/L、尿量は2.0 L/日であった。Xの性質は前の資料と同じであり、各濃度はその日の体積で重み付けした平均値である。
問5
別の日の原尿量を求めよ。尿中濃度が下がったことだけから、原尿量も減ったと判断できるか。
ノートやPDFに、答えと根拠を記す。
問6
物質Yはろ過された後、一部が再吸収される。Yに「原尿中濃度×原尿量=尿中濃度×尿量」を用いることが適切でない理由を説明せよ。分泌・分解はないものとする。
ノートやPDFに、答えと根拠を記す。
この資料の解答・解説を開く
資料を再掲する。
別の日の物質Xの原尿中濃度は0.10 g/L、尿中濃度は8.0 g/L、尿量は2.0 L/日であった。Xの性質は前の資料と同じであり、各濃度はその日の体積で重み付けした平均値である。
問5
8.0×2.0÷0.10=160 L/日。前の150 L/日より多い。尿中濃度だけではなく、尿量との積で排出量を求める必要がある。
問6
再吸収によってYの一部が血液へ戻るので、原尿に入るYの量は尿へ出るYの量より多い。等式は再吸収量を0とした場合にしか成り立たない。
参考資料
範囲・概念の確認に用いた公的資料。問題・数値・図は独自制作であり、共通テストの過去問ではない。
ほかの単元も練習する
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