要点・例題と独自演習6問。根拠や途中式を記す練習を含む。共通テストの過去問ではない。
用語は「どこが違うか」とセットで覚える
語句の響きだけでなく、対象・場所・働きを対応させる。以下は混同しやすい事項の整理であり、教科書全体の用語一覧ではない。
| 混同しやすい語 | 区別する視点 |
|---|---|
| DNA/遺伝子/ゲノム | DNAは物質。遺伝子は遺伝情報の単位。ゲノムは一組の遺伝情報全体。DNAの全領域がタンパク質の情報をもつわけではない。 |
| 転写/翻訳 | 転写はDNAの情報をRNAへ写す過程。翻訳はmRNAの情報をもとにアミノ酸をつなぐ過程。 |
| 抗原/抗体 | 抗原はリンパ球や抗体などに特異的に認識される物質。抗体は形質細胞が分泌するタンパク質。 |
| 血しょう/血清 | 血しょうは血液の液体成分。血清は血液が凝固した後に残る液体で、フィブリノーゲンなどが除かれている。 |
| 植生/バイオーム | 植生はある場所に生育する植物の集まり。バイオームは相観を特徴づける植物を中心に、動物なども含む生物群集。 |
例題|言い換えて確かめる
「抗体が増殖して形質細胞になる」を修正せよ。
解答例:B細胞が増殖し、その一部が形質細胞へ分化して抗体を分泌する。細胞と、その細胞が分泌する物質を区別する。
覚え方の使い方
「転写は写す、翻訳はつなぐ」は順序を思い出す手がかりになる。ただし、物質そのものがDNAからRNA、RNAからタンパク質へ変身するという意味ではない。
ホルモンは「分泌部位・名前・作用」の3点
| 分泌部位 | ホルモン | 主な作用 |
|---|---|---|
| すい臓・ランゲルハンス島B細胞 | インスリン | 血糖濃度を下げる |
| すい臓・ランゲルハンス島A細胞 | グルカゴン | 肝臓でのグリコーゲン分解などを促し、血糖濃度を上げる |
| 副腎髄質 | アドレナリン | グリコーゲン分解などを促し、血糖濃度を上げる |
| 副腎皮質 | 糖質コルチコイド | 糖新生を促し、血糖濃度を上げる |
| 副腎皮質 | 鉱質コルチコイド | 腎臓でのナトリウムイオンの再吸収を促す |
| 甲状腺 | チロキシン | 代謝を促進する |
| 脳下垂体前葉 | 甲状腺刺激ホルモン | 甲状腺を刺激する |
| 脳下垂体後葉 | バソプレシン | 腎臓での水の再吸収を促す |
バソプレシンは視床下部の神経分泌細胞で合成され、脳下垂体後葉から放出される。「放出される場所」と「合成される場所」を区別する。
覚える手がかり:副腎は「髄質=アドレナリン、皮質=コルチコイド」。すい臓では「インスリンは血糖を下げる」を軸に整理する。血糖を上げるホルモンをグルカゴンだけに限定しない。糖新生は、アミノ酸など糖以外の物質からグルコースをつくることである。
免疫細胞は分類と役割を別々に確認する
| 細胞 | 分類と役割 |
|---|---|
| 好中球・マクロファージ | 自然免疫で食作用を行う。マクロファージは抗原提示にも関わる |
| 樹状細胞 | 抗原を取り込み、T細胞へ提示する |
| B細胞 | リンパ球。一部が形質細胞へ分化し、抗体を分泌する |
| ヘルパーT細胞/キラーT細胞 | リンパ球。免疫反応の促進/感染細胞などの排除 |
| NK細胞 | リンパ球。自然免疫として感染細胞などを排除する |
適用範囲:ここで扱うB細胞・T細胞・NK細胞はリンパ球である。ただし「アルファベットがあれば必ずリンパ球」という規則ではない。すい臓のA細胞・B細胞は免疫細胞ではない。リンパ球すべてが獲得免疫というわけでもない。
バイオームは気候・特徴・代表植物を結ぶ
| バイオーム | 主な気候・特徴 | 代表植物 |
|---|---|---|
| 熱帯多雨林 | 高温・多雨 | フタバガキ類 |
| 亜熱帯多雨林 | 温暖・多雨 | ガジュマル・アコウ・ヘゴ |
| 雨緑樹林 | 高温で雨季と乾季がある。乾季に落葉 | チーク |
| 照葉樹林 | 温暖・湿潤。常緑広葉樹 | スダジイ・アラカシ・タブノキ |
| 硬葉樹林 | 夏に乾燥。硬い葉をもつ常緑樹 | オリーブ・コルクガシ |
| 夏緑樹林 | 冬の寒さに対応して落葉 | ブナ・ミズナラ |
| 針葉樹林 | 亜寒帯など寒冷な地域 | エゾマツ・トドマツ |
| サバンナ | 高温で雨季と乾季。草原に樹木が点在 | イネ科草本・アカシア類 |
| ステップ | 温帯などの半乾燥地域の草原 | イネ科草本 |
| 砂漠 | 降水量が少なく、植生がまばら | 乾燥に適応した植物 |
| ツンドラ | 寒冷で樹木が育ちにくい | コケ植物・地衣類・低木 |
「雨緑=乾季に落葉、夏緑=冬に落葉、硬葉=夏の乾燥」を対比する。植物例は代表例であり、他のバイオームに絶対に生育しないという意味ではない。ヘゴは木生シダである。
本州中部の垂直分布の目安は、低地・丘陵帯(約500m未満)→山地帯(約500〜1,500m)→亜高山帯(約1,500〜2,500m)→高山帯(約2,500m以上)。森林限界の目安は約2,500mである。緯度・斜面などで変わるため、全地域共通の境界ではない。
覚えた後は、名称を隠し「気候や働きから説明できるか」で確認する。語呂だけで理由を置き換えない。
用語と分泌部位
次の文と資料について、問1・問2に答えよ。
| 記号 | 観察された働き |
|---|---|
| P | 形質細胞から分泌され、特定の抗原と結合する |
| Q | 副腎から分泌され、糖新生を促進する |
問1
Pに当たるものを、次の①〜④のうちから一つ選べ。
① B細胞 ② 抗体 ③ マクロファージ ④ 抗原
ノートやPDFに、答えと根拠を記す。
問2
Qの名称と、副腎の皮質・髄質のどちらから分泌されるかを答えよ。また、Qと同じ部位から分泌されるが主にナトリウムイオンの再吸収を促すホルモンを答えよ。
ノートやPDFに、答えと根拠を記す。
この資料の解答・解説を開く
資料を再掲する。
次の文と資料について、問1・問2に答えよ。
| 記号 | 観察された働き |
|---|---|
| P | 形質細胞から分泌され、特定の抗原と結合する |
| Q | 副腎から分泌され、糖新生を促進する |
問1
②。分泌されて抗原と結合するタンパク質は抗体である。①・③は細胞。④は認識される側の物質であり、抗体と同義ではない。
問2
Qは糖質コルチコイド、副腎皮質。ナトリウムイオンの再吸収を促すのは鉱質コルチコイドである。副腎髄質のアドレナリンも血糖濃度を上げるが、分泌部位と主な働きが異なる。
覚え方の限界
| 細胞 | この資料での働き |
|---|---|
| B細胞(免疫系) | 形質細胞へ分化する |
| NK細胞 | 自然免疫で感染細胞などを排除する |
| B細胞(ランゲルハンス島) | インスリンを分泌する |
問3
表の3種類のうち、リンパ球に分類されるものをすべて答えよ。「Bという文字があればリンパ球」としてはいけない理由も説明せよ。
ノートやPDFに、答えと根拠を記す。
問4
「リンパ球はすべて獲得免疫に関わる」という説明が適切でないことを、表の細胞名を用いて説明せよ。
ノートやPDFに、答えと根拠を記す。
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資料を再掲する。
| 細胞 | この資料での働き |
|---|---|
| B細胞(免疫系) | 形質細胞へ分化する |
| NK細胞 | 自然免疫で感染細胞などを排除する |
| B細胞(ランゲルハンス島) | インスリンを分泌する |
問3
免疫系のB細胞とNK細胞。ランゲルハンス島B細胞はホルモンを分泌する細胞であり、リンパ球ではない。同じ略称でも、どの器官・系の細胞かを読む必要がある。
問4
NK細胞はリンパ球だが、自然免疫として働く。リンパ球という細胞の分類と、自然免疫・獲得免疫という働きの分類を同一視できない。
気候から判断する
| 地域 | 特徴 |
|---|---|
| X | 温暖で、夏に乾燥する。オリーブが代表例 |
| Y | 温暖・湿潤で、スダジイやタブノキが代表例 |
| Z | 亜熱帯で多雨。ガジュマルやヘゴが代表例 |
問5
X・Y・Zに対応するバイオームをそれぞれ答えよ。
ノートやPDFに、答えと根拠を記す。
問6
「森林限界は世界中どこでも標高2,500mである」という説明を、本州中部という条件を含めて適切に書き直せ。
ノートやPDFに、答えと根拠を記す。
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資料を再掲する。
| 地域 | 特徴 |
|---|---|
| X | 温暖で、夏に乾燥する。オリーブが代表例 |
| Y | 温暖・湿潤で、スダジイやタブノキが代表例 |
| Z | 亜熱帯で多雨。ガジュマルやヘゴが代表例 |
問5
X:硬葉樹林、Y:照葉樹林、Z:亜熱帯多雨林。夏の乾燥と、湿潤な気候を区別する。スダジイ・タブノキは本教材では照葉樹林の代表例として整理する。
問6
本州中部では森林限界の標高は約2,500mが目安となるが、森林限界の標高は地域や緯度などによって異なる。数字と適用する地域をセットにする。
参考資料
範囲・概念の確認に用いた公的資料。問題・数値・図は独自制作であり、共通テストの過去問ではない。
ほかの単元も練習する
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